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日本人PCV患者に対するアイリーアの有効性とVEGF阻害の重要性

PCVはアジア人に多く、日本人においてもnAMD患者の23~55%がPCVであると報告されており、nAMDの治療を考える上で重要なサブタイプです

PCVと診断されたnAMD患者の割合1)

表:PCVと診断されたnAMD患者の割合

PCV(polypoidal choroidal vasculopathy):ポリープ状脈絡膜血管症
nAMD(neovascular age-related macular degeneration):滲出型加齢黄斑変性

1)
Honda S, et al.: Ophthalmologica. 2014; 231: 59-74.
2)
Sho K, et al.: Arch Ophthalmol. 2003; 121: 1392-1396.
3)
Maruko I, et al.: Am J Ophthalmol. 2007; 144: 15-22.
4)
Chang YC, et al.: Ophthalmic Surg Lasers Imaging.2009; 40: 576-581.
5)
Wen F, et al.: Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol.2004; 242: 625-629.
6)
Liu Y, et al.: Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2007;245: 1441-1445.
7)
Byeon SH, et al.: Jpn J Ophthalmol. 2008; 52: 57-62.
8)
Ciardella AP, et al.: Surv Ophthalmol. 2004; 49: 25-37.

コントロールに比べ、PCV患者では前房水のVEGF濃度が有意に高かったという報告があり、PCVの病態には、VEGFの関与が示唆されています

抗VEGF薬投与前の眼内VEGF濃度(海外データ)

グラフ:抗VEGF薬投与前の眼内VEGF濃度(海外データ)

対象:
再発性PCV群41眼、安定性PCV群39眼、コントロールとして老年性白内障群44眼

方法:
再発性PCV群および安定性PCV群は初回および最終の抗VEGF薬投与前に前房水のサンプルを採取、老年性白内障群は超音波白内障手術前に前房水のサンプルを採取し、 各群のサンプルに含まれるサイトカイン(インターロイキン2, 6, 8, MCP-1, TNF-α, VEGF)濃度をフローサイトメトリーで測定した。2群間比較はBonferroni法を用いた。

再発性PCVと安定性PCVの定義

再発性PCV:
直近の治療後または再治療後12ヵ月目のフォローアップ時に、EVEREST試験およびPCV診療ガイドラインでの再治療基準を満たす病変の再発または持続の徴候を示すもの
1)IA検査において一部退縮または持続したポリープ
2)IA検査において完全に退縮したが、FA検査ではまだ漏出が認められている臨床的またはOCT上で活動性の徴候があるポリープ

安定性PCV:
12ヵ月目のフォローアップ時に、ポリープが完全に退縮し、FA検査上で漏出がなく、OCT上でSRF(網膜下液)がない眼

MCP-1:monocyte chemotactic protein 1
TNF-α:tumor necrosis factor
VEGF(vascular endothelial growth factor):血管内皮増殖因子
IA(indocyanine green angiography):インドシアニングリーン蛍光眼底造影
OCT(optical coherence tomography):光干渉断層撮影

Hu J, et al.: PLoS One. 2016; 11: e0147346.

VEGFに対する結合親和性を示すKD(平衡解離定数)は、アフリベルセプトでは0.1719pMでした

VEGFに対する結合親和性(in vitro)

表:VEGFに対する結合親和性(in vitro)

*:原著から単位(fM→pM)を変更
KD(equilibrium dissociation constant):平衡解離定数(結合親和性の強さを示す値、数値が小さいほど結合しているリガンドと受容体の濃度が高いことを示す)
95%信頼区間は理想的なKD曲線に当てはめることにより算出

方法:
組換え型ヒトVEGF-A165を用いたアフリベルセプト、ブロルシズマブおよびラニビズマブの結合親和性は結合平衡除外法(Kinetic Exclusion Assay)により検討し、平衡解離定数は非線形回帰分析から求めた。

利益相反:
本試験はRegeneron社の支援のもと実施、著者らはすべてRegeneron社もしくはBayerの社員(元社員を含む)である。

Schubert W, et al.: Transl Vis Sci Technol. 2022; 11: 36. より一部改変 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

VEGF阻害作用を示す細胞内カルシウム動員に対するIC50(50%阻害濃度)は、アフリベルセプトでは2.42nMでした

VEGFによる細胞内カルシウム動員に対する阻害作用(IC50, in vitro)

グラフ:VEGFによる細胞内カルシウム動員に対する阻害作用(IC50, in vitro)

IC50(50%阻害濃度):阻害の強さを示す値、数値が小さいほど低濃度でリガンドと受容体との結合を50%阻害したことを示す

方法:
ヒト臍帯静脈内皮細胞(human umbilical vein endothelial cell:HUVEC)を用い、組換え型ヒトVEGF-A165による細胞内カルシウム動員を測定し、アフリベルセプト、ブロルシズマブおよびラニビズマブのヒトVEGF受容体阻害作用を検討した。

利益相反:
本試験はRegeneron社の支援のもと実施、著者らはすべてRegeneron社もしくはBayerの社員(元社員を含む)である。

Schubert W, et al.: Transl Vis Sci Technol. 2022; 11: 36. より一部改変

加齢黄斑変性の治療指針において、PCVにはPDT/抗VEGF薬の単独または併用療法が推奨されています

フロー図:加齢黄斑変性の治療指針

付記

*1:
特に中心窩外CNVのことを指す。傍中心窩CNVに対しては、治療者自身の判断で中心窩を含むCNVに準じて治療を適宜選択する。
*2:
視力0.5以下の症例では、PDTを含む治療法(PDT単独またはPDT-抗VEGF薬併用療法)が推奨される。視力0.6以上の症例では抗VEGF薬単独療法を考慮する。
*3:
治療回数の少ないPDT-抗VEGF薬併用療法が主として推奨される。視力良好眼では抗VEGF薬単独療法も考慮してよい。

髙橋寛二ほか: 日眼会誌. 2012; 116: 1150-1155.

中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性に対するアイリーアの承認
6. 用法及び用量:「アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。」

アイリーア硝子体内注射用キット40mg/mL 添付文書2022年9月改訂(第2版、再審査結果)

アイリーアはこれまでに日本人PCV患者を対象に、さまざまな投与レジメンを用いた臨床研究論文が報告されています

日本人PCV患者のみを対象とした臨床研究(1年以上)論文一覧(2023年3月現在)

表:日本人PCV患者のみを対象とした臨床研究(1年以上)論文一覧(2023年3月現在)
a)
比較試験(上表内で、投与法・治療法の比較が行われているもの)
b)
ラニビズマブからの切り替え
c)
比較試験(vs. ラニビズマブ)
d)
1年目まで定期的投与
e)
1年目の定期的投与以降
f)
比較試験(vs. ブロルシズマブ)
1)
Yamamoto A, et al.: Ophthalmology. 2015; 122: 1866-1872.
2)
Inoue M, et al.: Retina. 2016; 36: 1527-1534.
3)
Oshima Y, et al.: Ophthalmologica. 2017; 238: 163-171.
4)
Arakawa A, et al.: Clin Ophthalmol. 2017; 11: 797-802.
5)
Maruyama-Inoue M, et al.: Retina. 2018; 38: 2001-2009.
6)
Ogura Y, et al.: Jpn J Ophthalmol. 2021; 65: 344-353.
7)
Ogura Y, et al.: Br J Ophthalmol. 2022; 106: 994-999.
8)
Shimizu Y, et al.: Acta Ophthalmol. 2022; 100: e943-e949.
9)
Yoneda A, et al.: Eur J Ophthalmol. 2020; 30: 1473-1479.
10)
Azuma K, et al.: Retina. 2016; 36: 2158-2165.
11)
Hosokawa M, et al.: J Ophthalmol. 2017; 61: 150-158.
12)
Morimoto M, et al.: Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2017; 255: 1891-1897.
13)
Morizane-Hosokawa M, et al.: Acta Med Okayama. 2018; 72: 379-385.
114)
Tamachi T, et al.: Ophthalmol Ther. 2020; 9: 1069-1082.
15)
Okada A, et al.: Adv Ther. 2022; 39: 2984-2998.
16)
Miyakubo T, et al.: Clin Ophthalmol. 2023; 17: 571-577.
17)
Hara C, et al.: Retina. 2016; 36: 37-45.
18)
Daizumoto E, et al.: Br J Ophthalmol. 2017; 101: 56-61.
19)
Takayama K, et al.: PLoS One. 2017; 12: e0176100.
20)
Fukuda Y, et al.: J Clin Med. 2020; 9: 2459.
21)
Ito A, et al.: PLoS One. 2020; 15: e0235213.

PLANET試験
(日本人を含む第Ⅲb/Ⅳ相国際共同試験)

PLANET試験ロゴ

Lee WK, et al.: JAMA Ophthalmol. 2018; 136: 786-793.
Wong TY, et al.: Am J Ophthalmol. 2019; 204: 80-89.

試験概要

目的

PCV患者における、アイリーア単独療法の有効性および安全性を、アイリーア+光線力学的療法(レスキューPDT)と比較検討する。

試験デザイン

96週間、二重遮蔽、偽治療対照、無作為化、第Ⅲb/Ⅳ相試験

試験対象

以下に該当する患者333例(うち、日本人は159例)

  • PCVと診断された50歳以上の患者
  • 病変最大径(GLD)が5,400μm未満であるか9乳頭面積(DA)未満の患者
  • 最高矯正視力(BCVA)がETDRSで73~24文字の患者
投与方法
  • 本試験は以下の期間により構成される。
    導入期:0~8週目
    無作為割り付け:12週目
    治療継続期:12~52週目(アイリーア2q8±レスキュー治療)、52~96週目(Treat & Extend±レスキュー治療)
  • 導入期にはすべての患者にアイリーアの毎月投与を3回行う。
  • 12週目にアイリーア単独療法群、PDT併用療法群のいずれかに1:1の割合で無作為に割り付ける。その際、12週時点でレスキュー治療が必要と評価された患者、および日本人患者が均等に含まれるように割り付ける。(12週時点でレスキュー治療が必要となる患者が各群50名程度であると想定)
  • レスキュー治療が不要と評価された患者には52週目までアイリーアを8週ごとに投与する。
  • 12週目以降、レスキュー治療が必要と評価された患者には、アイリーア単独療法群ではアイリーアの4週ごと投与とシャムPDTによるレスキュー治療を、PDT併用療法群ではアイリーア4週ごと投与と実薬PDTによるレスキュー治療を行う。
評価項目

<主要評価項目>

  • 52週時におけるBCVAのベースラインからの変化量

<副次評価項目>

  • 52週時におけるベースラインから15文字以上の視力低下がみられなかった患者の割合

<探索的評価項目>

  • 96週時におけるBCVAのベースラインからの変化量
  • 96週時におけるベースラインから15文字以上の視力低下がみられなかった患者の割合
  • 52週時および96週時における中心サブフィールド網膜厚(CST)のベースラインからの変化量
  • 52週時および96週時におけるポリープ状病巣の完全退縮率
  • アイリーアおよびPDTによる治療回数
  • レスキュー治療を必要とした患者の割合 など

<安全性評価項目>

  • すべての有害事象、TEAE、重篤な有害事象、APTC定義に基づく動脈血栓塞栓事象、死亡 など

<事前に規定された評価項目(部分集団解析)>

  • レスキュー治療の有無別でみたBCVAのベースラインからの変化量
  • 日本人集団における上記のすべての有効性評価項目、および安全性評価項目 など
解析計画

<検証的な解析>

  • 主要評価項目(FAS):アイリーア単独療法のPDT併用療法に対する非劣性の検証。変化量の最小二乗平均の群間差(アイリーア単独療法群-PDT併用療法群)の両側95%信頼区間を、ベースライン値を共変量とし、投与群、民族、および12週目におけるレスキュー治療の有無を固定効果とした共分散分析により求める。(非劣性限界値:ETDRS-5文字)
  • 副次評価項目(FAS):アイリーア単独療法のPDT併用療法に対する非劣性の検証。主要評価項目の検証により非劣性が認められた場合に、ベースラインからETDRS15文字以上の視力低下がみられなかった患者の割合を確認し、群間差の95%信頼区間を人種/民族および12週目におけるレスキュー治療の有無により調整されたCochran-Mantel-Haenszelにより求める。(非劣性限界値:-7%)

<探索的な解析>

  • 探索的評価項目(FAS)、安全性評価項目(SAF)、部分集団解析(FAS)
  • 参考として、52週時および96週時における活動性のあるポリープが認められない患者の割合(SAF)を算出する。なお、欠損値の代入にはLOCFを用いる。
利益相反

本試験および本論文の執筆・編集はBayer AG, Berlinの資金提供により行われた。
著者のうち2名はBayerの社員であり、その他の著者にBayerおよび参天製薬より助成金、個人的報酬を受領している者が含まれる。

※治験担当医の裁量により、1週または2週単位で投与間隔を延長する任意Treat & Extend

ETDRS:Early Treatment Diabetic Retinopathy Study
FAS(Full Analysis Set):最大の解析対象集団
SAF(Safety Analysis Set):安全性解析対象集団
TEAE(Treatment-Emergent Adverse Event):治療下で発現した有害事象
APTC:Antiplatelet Trialists’ Collaboration
LOCF(Last Observation Carried Forward):最終評価スコア外挿法

試験デザイン

PLANET試験:試験デザイン

a:レスキュー基準の評価 b:ベルテポルフィン6mg/m2静注
PDT(実薬またはシャム)はレスキュー基準に該当する場合にのみ、各国の添付文書にそって施行

Lee WK, et al.: JAMA Ophthalmol. 2018; 136: 786-793. Copyright © 2018 American Medical Association. All rights reserved.

レスキュー治療基準

PLANET試験:レスキュー治療基準

Lee WK, et al.: JAMA Ophthalmol. 2018; 136: 786-793. Copyright © 2018 American Medical Association. All rights reserved.

96週における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量は、日本人集団のアイリーア単独療法群で+9.7文字、PDT併用療法群で+9.5文字でした

主要評価項目(52週、全集団)の結果

アイリーア単独療法群のPDT併用療法群に対する非劣性が検証されました

※:
ベースライン値を共変量とし、投与群、民族、および12週目におけるレスキュー治療の有無を固定効果とした共分散分析。(52週時における非劣性限界値: ETDRS-5文字)

最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量の推移

FAS(LOCF)

PLANET試験:最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量の推移

Lee WK, et al.: JAMA Ophthalmol. 2018; 136: 786-793.
Ogura Y, et al.: Jpn J Ophthalmol. 2021; 65: 344-353.

日本人集団における96週間を通じてレスキュー治療を必要とした患者の割合は、アイリーア単独療法群で18.7%、PDT併用療法群で15.6%でした

レスキュー治療を必要とした患者の割合(96週:日本人集団)<有効性評価項目>

FAS

PLANET試験:レスキュー治療を必要とした患者の割合(96週:日本人集団)<有効性評価項目>

Ogura Y, et al.: Jpn J Ophthalmol. 2021; 65: 344-353.より作図

日本人集団において、すべてのTEAEはアイリーア単独療法群75例中58例(77.3%)、PDT併用療法群77例中54例(70.1%)に認められました

安全性(96週:日本人集団)<安全性評価項目>

SAF

すべてのTEAEは、アイリーア単独療法群75例中58例(77.3%)、PDT併用療法群77例中54例(70.1%)、無作為化されなかった治療症例7例中2例(28.6%)に認められました。

PLANET試験:安全性(96週:日本人集団)<安全性評価項目>

アイリーア投与(手技を含む)に関連する有害事象

※1:
不整脈 1例、上部消化管出血 1例、冠状動脈狭窄症・白内障 1例(2件)
※2:
網膜動脈分枝閉塞症(BRAO)1例
※4:
心臓突然死 1例
※5:
RPE tear 1例
※6:
不整脈 1例

ベルテポルフィン投与(手技を含む)に関連する有害事象

※3:
視力低下 1例

(PLANET試験 社内資料)

*:治療を受けたが、プロトコルの逸脱、有害事象、脱落、死亡、または追跡不能により12週目に無作為化されなかったすべての患者

Ogura Y, et al.: Jpn J Ophthalmol. 2021; 65: 344-353.

最も多く認められた眼に関連するTEAEは、アイリーア単独療法群で結膜出血8例(10.7%)、PDT併用療法群でドライアイ5例(6.5%)でした

すべての有害事象、TEAE(96週:日本人集団)<安全性評価項目>

SAF

PLANET試験:すべての有害事象、TEAE(96週:日本人集団)<安全性評価項目>
*:
治療を受けたが、プロトコルの逸脱、有害事象、脱落、死亡、または追跡不能により12週目に無作為化されなかったすべての患者

眼に関連する重篤な有害事象は、アイリーア単独療法群で2例(2.7%)、PDT併用療法群で3例(3.9%)に認められました

すべての重篤な有害事象、APTC定義に基づく動脈血栓塞栓事象、死亡(96週:日本人集団)
<安全性評価項目>

SAF

PLANET試験:すべての重篤な有害事象、APTC定義に基づく動脈血栓塞栓事象、死亡(96週:日本人集団)<安全性評価項目>
*:
治療を受けたが、プロトコルの逸脱、有害事象、脱落、死亡、または追跡不能により12週目に無作為化されなかったすべての患者

アイリーア投与(手技を含む)に関連する有害事象

※1:
不整脈 1例、上部消化管出血 1例、冠状動脈狭窄症・白内障 1例(2件);
※2:
網膜動脈分枝閉塞症(BRAO)1例;
※4:
心臓突然死 1例;
※5:
RPE tear 1例;
※6:
不整脈 1例

ベルテポルフィン投与(手技を含む)に関連する有害事象

※3:
視力低下 1例

(PLANET試験 社内資料)

Ogura Y, et al.: Jpn J Ophthalmol. 2021; 65: 344-353.


まとめ

アイリーアは日本人PCV患者に対するさまざまな臨床研究成績が論文報告されており、視力改善効果が期待できる薬剤1)です

PCVはアジア人に多く、日本人のnAMD患者の23~55%を占めるとされています2)

PCVの病態には、VEGFの関与が示唆されています3)

VEGFに対する結合親和性を示すKDは、アフリベルセプトでは0.1719pMでした。
また、VEGF阻害作用を示す細胞内カルシウム動員に対するIC50は、アフリベルセプトでは2.42nMでした4)

PLANET試験<主要評価項目>5)

PCV患者に対するアイリーアの有効性および安全性を検討したPLANET試験では、52週時における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量について、全集団では、アイリーア単独療法群のPDT併用療法群に対する非劣性が検証されました。

PLANET試験<日本人部分集団解析>1)

最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量は、アイリーア単独療法群で52週時+9.1文字、96週時+9.7文字、PDT 併用療法群で52週時+10.6文字、96週時+9.5文字でした。
96週間を通じてレスキュー治療を必要とした患者の割合は、アイリーア単独療法群で18.7%、PDT併用療法群で15.6%でした。
すべてのTEAEはアイリーア単独療法群で75例中58例(77.3%)、PDT併用療法群で77例中54例(70.1%)に認められました。

1)
Ogura Y, et al.: Jpn J Ophthalmol. 2021; 65: 344-353.
2)
Honda S, et al.: Ophthalmologica. 2014; 231: 59-74.
3)
Hu J, et al.: PLoS One. 2016; 11: e0147346.
4)
Schubert W, et al.: Transl Vis Sci Technol. 2022; 11: 36.
5)
Lee WK, et al.: JAMA Ophthalmol. 2018; 136: 786-793.