日本人を含む第Ⅱ/Ⅲ相国際共同試験 :PHOTON試験1)
(アフリベルセプト2mgに対する非劣性の検証)
1)バイエル薬品社内資料[日本人を含む第Ⅱ/Ⅲ相国際共同試験:PHOTON試験]承認時評価資料
高濃度製剤を用いてより高用量のアフリベルセプトを硝子体内投与したときのシミュレーション(ヒト硝子体内における遊離型アフリベルセプト濃度-時間プロファイルを1-コンパートメントモデルにより推定†)では、アフリベルセプト8mgの硝子体内投与により、既承認のアフリベルセプト2mg硝子体内投与と比較して投与間隔を約20日(2半減期)延長できると予測されたことから、本試験ではアイリーア8mgの用法及び用量を「8mgを4週間隔で連続3回投与後、12週間隔で硝子体内投与する群」および「8mgを4週間隔で連続3回投与後、16週間隔で硝子体内投与する群」の2群に設定し、アフリベルセプト2mgに対する非劣性を検証しました。
† 照会事項への回答
【実施地域】日本、欧州、北米の7ヵ国、138施設
試験概要
目的
DME患者を対象に、アイリーア8mg12週間隔または16週間隔投与による有効性についてアフリベルセプト2mg8週間隔投与に対する非劣性を検証するとともに、安全性についても検討する
試験対象
DME患者660例(うち日本人:74例)
[主な選択基準]
- 試験眼においてスクリーニング来院時に読影施設で測定したCRTがSD-OCTで300μm以上(またはSpectralis SD-OCTで320μm以上)、中心窩に及ぶDMEを有する、1型または2型糖尿病の18歳以上の男女
- 試験眼のETDRS視力表による最高矯正視力文字数が78~24文字(スネレン視力で20/32~20/320)であり、視力低下の主な原因がDMEである など
[主な除外基準]
- いずれかの眼に糖尿病以外の原因による黄斑浮腫が認められる
- 試験眼に活動性の増殖糖尿病網膜症が認められる
- スクリーニング来院前12週以内に試験眼に汎網膜光凝固術または黄斑光凝固術による治療歴を有する
- スクリーニング来院前12週以内に試験眼に抗VEGF薬の硝子体内投与による治療歴を有する
- スクリーニング来院前16週以内に試験眼に副腎皮質ステロイドの眼内投与または眼周囲投与、あるいは時期を問わず副腎皮質ステロイドの硝子体内インプラント※による治療歴を有する
- 試験眼に網膜硝子体手術(強膜バックリングを含む)による治療歴を有する
- 試験眼の眼圧が25mmHg以上
- 試験眼に特発性または自己免疫性ぶどう膜炎の既往歴を有する
- スクリーニング来院前12週以内に、いずれかの眼に、眼内の炎症または感染を有する
- コントロール不良の糖尿病(HbA1c 12%超)を有する
- コントロール不良の高血圧(収縮期血圧160mmHg超または拡張期血圧95mmHg超)を有する
- スクリーニング来院前24週以内に脳血管発作または心筋梗塞の既往歴を有する
- 腎不全、透析または腎移植歴を有する など
※ 本邦において未承認かつ未発売
試験デザイン
無作為化二重遮蔽実薬対照比較試験
投与方法
対象患者をアフリベルセプト2mg8週間隔投与群、アイリーア8mg12週間隔投与群、アイリーア8mg16週間隔投与群の3群に1:2:1の比で無作為に割り付け※1、硝子体内投与した。試験薬の投与は片眼のみに実施した。
- 2mg8週間隔投与群:アフリベルセプト2mgを4週間隔で連続5回投与後、8週間隔で投与※2
- 8mg12週間隔投与群:アイリーア8mgを4週間隔で連続3回投与後、12週間隔で投与※3
- 8mg16週間隔投与群:アイリーア8mgを4週間隔で連続3回投与後、16週間隔で投与※3,4
ただし、8mg12週間隔投与群および16週間隔投与群では、16週目以降、DRM基準※5,6に従い投与間隔を変更した。
※1
ベースラインのCRT(400μm未満、400μm以上)、過去のDME治療(あり、なし)および地域(日本、その他の地域)に基づき層別化した。
※2
試験期間を通じて8週間隔で投与を継続した。
※3
16週目または20週目にDRM基準(短縮)を満たした場合、当該来院日に投与を行い、以降は8週間隔に短縮した。24週目以降のアイリーア投与来院日にDRM基準(短縮)を満たした場合は次回投与間隔を4週幅で短縮した。52週目以降は、1年目と同一のDRM基準(短縮)に加えて、DRM基準(延長)に従い、基準を満たした場合は投与間隔を4週幅で短縮または延長した。なお、8週間隔を最短の投与間隔とした。
※4
16週目または20週目にDRM基準(短縮)を満たさず、24週目にDRM基準(短縮)を満たした場合は、当該来院日に投与を行い、以降は12週間隔に短縮した。
※5
DRM基準(短縮:16週目以降):「DMEの遷延または悪化による最高矯正視力文字数の12週目からの10文字超低下」かつ「CRTの12週目からの50μm超増加」
※6
DRM基準(延長:52週目以降):「最高矯正視力文字数の12週目からの低下が5文字未満」かつ「CRTがSD-OCTで300μm未満(またはSpectralis SD-OCTで320μm未満)
主な有効性評価項目
主要評価項目:
48週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量
主な副次評価項目:
60週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量 など
その他の副次評価項目:
48週目におけるCRTのベースラインからの変化量 など
探索的評価項目:
- 8mg12週間隔投与群において48週目および60週目まで投与間隔が12週間隔以上であった患者の割合
- 8mg16週間隔投与群において48週目および60週目まで投与間隔が16週間隔以上であった患者の割合
- その他の副次評価項目(48週目の評価)に設定した評価項目の60週目の評価 など
主な安全性評価項目
有害事象、副作用、重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象、死亡、眼内炎症反応、眼圧上昇事象、眼圧上昇の程度、高血圧事象、APTC定義による動脈血栓塞栓事象 など
事前に規定されたその他の評価項目
- 8mg12週間隔投与群および8mg16週間隔投与群において16週目または20週目に投与間隔が8週間隔へ短縮となった患者の割合
- 8mg12週間隔投与群および8mg16週間隔投与群において48週目および60週目までにいずれかの時点で投与間隔が短縮となった患者の割合
- 8mg12週間隔投与群において48週目および60週目に次回予定された投与間隔が12週間隔以上であった患者の割合
- 8mg16週間隔投与群において48週目および60週目に次回予定された投与間隔が16週間隔以上であった患者の割合
- 48週目および60週目までの投与回数 など
解析計画
主要評価項目および主な副次評価項目において、検定全体のfamily-wiseの第1種の過誤確率を0.025(片側検定)に制御した。主要評価項目および主な副次評価項目における検定の多重性の調整には、下記の階層的検定手順を用い、より上位の階層にランク付けされた仮説を棄却した後にのみ、有意水準0.025(片側)で続く下位の仮説の検定を可能とした※。
いずれも2mg8週間隔投与群に対する比較検定
階層的検定手順に基づく仮説はすべての患者が60週目を完了(または早期中止)した後に評価した。
主要評価項目を含む48週目までの有効性評価について、60週目完了後のデータによる再解析は実施しなかった。
※ ⑥において非劣性が示されなかったため、検定を終了した。
検証的な解析(第1種の過誤を考慮し、検出力を考慮し例数設計された解析)
主要評価項目(FAS):
8mg12週間隔投与群および8mg16週間隔投与群の2mg8週間隔投与群に対する非劣性の検証(非劣性限界値-4文字)
第1種の過誤を考慮した解析(検出力を考慮した例数設計はされていない)
主な副次評価項目(FAS):
「60週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量」は主要評価項目と同一の方法により解析
探索的な解析
その他の副次評価項目(FAS)
探索的評価項目(FAS、SAF)
事前に規定されたその他の評価項目(SAF)
部分集団解析:日本人の部分集団解析 など
SD-OCT(spectral domain optical coherence tomography):スペクトラルドメイン光干渉断層撮影、ETDRS(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study):糖尿病網膜症早期治療研究、DRM(dose regimen modification):用法用量変更、DRSS(diabetic retinopathy severity scale):糖尿病網膜症重症度尺度、IRF(intraretinal fluid):網膜内液、SRF(subretinal fluid):網膜下液、FA(fluorescein angiography):蛍光眼底造影、APTC(Antiplatelet Trialists’ Collaboration)
●
CRT(central retinal thickness):中心網膜厚(中心窩領域の網膜厚)
●
中心窩領域:中心窩から直径1mmの範囲
●
FAS(full analysis set):最大の解析対象集団。無作為化され、少なくとも1回の試験薬投与を受けたすべての患者。無作為割り付けされた群に基づき解析を行った。
●
SAF(safety analysis set):安全性解析対象集団。無作為化され、少なくとも1回の試験薬投与を受けたすべての患者。実際の投与に基づき解析を行った。
試験対象例数と各群の患者の内訳
患者背景および特性(FAS)
PHOTON試験において、各群のベースライン時の人口統計学的特性および疾患特性は以下の通りでした。
※1
無作為化された日‒糖尿病診断日
※2
SAFを対象とする
※3
EDC調べ
※4
読影施設で評価した
EDC(electronic data capture):電子データ収集
視力評価
最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量[48週:主要評価項目(検証的解析結果)]
48週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、8mg12週間隔投与群で+8.1文字、8mg16週間隔投与群で+7.2文字、2mg8週間隔投与群で+8.7文字でした。8mg12週間隔投与群および8mg16週間隔投与群と2mg8週間隔投与群の群間差(両側95%信頼区間)はそれぞれ-0.6(-2.3, 1.1)文字、-1.4(-3.3, 0.4)文字であり、8mg12週間隔投与群および8mg16週間隔投与群と2mg8週間隔投与群の群間差の95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、8mg12週間隔投与群および8mg16週間隔投与群の2mg8週間隔投与群に対する非劣性が検証されました。
最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量[60週:主な副次評価項目]
60週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)について、8mg12週間隔投与群および8mg16週間隔投与群と2mg8週間隔投与群の群間差の95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、8mg12週間隔投与群および8mg16週間隔投与群の2mg8週間隔投与群に対する非劣性が示されました。
最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量(MMRM、FAS)
※1 実測値 ※2 各群‒2mg8週間隔投与群 ※3 非劣性(非劣性限界値‒4文字)の片側検定
最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量の推移(MMRM、FAS)
●
MMRM(mixed model for repeated measurements):反復測定混合効果モデル。ベースラインの最高矯正視力文字数を共変量、投与群、来院および層別因子[ベースラインのCRT(400μm未満、400μm以上)、過去のDME治療(あり、なし)および地域(日本、その他の地域)]を固定効果とし、ベースラインの最高矯正視力文字数と来院の交互作用項、投与群と来院の交互作用項を含む。
最高矯正視力文字数が69文字以上であった患者の割合
[48週:その他の副次評価項目、60週:探索的評価項目]
最高矯正視力文字数が69文字以上であった患者の割合は、48週目では8mg12週間隔投与群で65.3%、8mg16週間隔投与群で62.6%、2mg8週間隔投与群で63.0%でした。また、60週目ではそれぞれ64.7%、62.0%、60.6%でした。
最高矯正視力文字数が69文字(スネレン視力で20/40)以上であった患者の割合(LOCF、FAS)
※
各群‒2mg8週間隔投与群[ベースラインのCRT(400μm未満、400μm以上)、過去のDME治療(あり、なし)および地域(日本、その他の地域)で層別化したMantel-Haenszel型の重みを用いて調整した]
●
LOCF(Last Observation Carried Forward):最終評価スコア外挿法。欠測値に対して欠測前の最後の測定値を用いて補完する解析方法
36週目から48週目および48週目から60週目までの
最高矯正視力文字数の平均値のベースラインからの変化量[探索的評価項目]
36週目から48週目および48週目から60週目までの最高矯正視力文字数の平均値のベースラインからの変化量は、8mg12週間隔投与群でそれぞれ+8.1文字、+8.7文字、8mg16週間隔投与群でそれぞれ+7.2文字、+7.6文字、2mg8週間隔投与群で+8.8文字、+9.3文字でした。
最高矯正視力文字数の平均値のベースラインからの変化量(中間事象※前のOC、FAS)
最高矯正視力文字数の平均値(中間事象※前のOC、FAS)
※ 試験薬の投与中止など
OC(observed case)
その他の評価
【参考情報】糖尿病網膜症の重症度
DRSSの2段階以上の低下を示した患者の割合[48週:主な副次評価項目、60週:探索的評価項目]
48週目にDRSSの2段階以上の低下を示した患者の割合について、8mg12週間隔投与群の2mg8週間隔投与群との群間差(両側95%信頼区間)は2.0(-6.6, 10.6)%であり、非劣性限界値-15%において、8mg12週間隔投与群の2mg8週間隔投与群に対する非劣性が検証されました。8mg16週間隔投与群の2mg8週間隔投与群に対する非劣性は検証されませんでした。
DRSSの2段階以上の低下を示した患者の割合(LOCF、FAS)
※
各群‒2mg8週間隔投与群[ベースラインのCRT(400μm未満、400μm以上)、過去のDME治療(あり、なし)および地域(日本、その他の地域)で層別化したMantel-Haenszel型の重みを用いて調整した]
形態学的評価
中心窩にIRFおよびSRFが認められなかった患者の割合
[48週:その他の副次評価項目、60週:探索的評価項目]
中心窩にIRFおよびSRFが認められなかった患者の割合は、48週目では8mg12週間隔投与群で58.5%、8mg16週間隔投与群で43.8%、2mg8週間隔投与群で54.5%でした。また、60週目ではそれぞれ61.8%、58.0%、68.5%でした。
中心窩にIRFおよびSRFが認められなかった患者の割合(LOCF、FAS)
※
各群‒2mg8週間隔投与群[ベースラインのCRT(400μm未満、400μm以上)、過去のDME治療(あり、なし)および地域(日本、その他の地域)で層別化したMantel-Haenszel型の重みを用いて調整した]
中心窩領域にIRFおよびSRFが認められなかった患者の割合[探索的評価項目]
中心窩領域にIRFおよびSRFが認められなかった患者の割合は、48週目では8mg12週間隔投与群で27.4%、8mg16週間隔投与群で14.8%、2mg8週間隔投与群で21.8%でした。また、60週目ではそれぞれ23.1%、15.4%、29.7%でした。
中心窩領域にIRFおよびSRFが認められなかった患者の割合(LOCF、FAS)
※
各群‒2mg8週間隔投与群[ベースラインのCRT(400μm未満、400μm以上)、過去のDME治療(あり、なし)および地域(日本、その他の地域)で層別化したMantel-Haenszel型の重みを用いて調整した]
CRTのベースラインからの変化量[48週:その他の副次評価項目、60週:探索的評価項目]
CRTのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、48週目では8mg12週間隔投与群で-176.8μm、8mg16週間隔投与群で-148.8μm、2mg8週間隔投与群で-164.9μmでした。また、60週目ではそれぞれ-182.0μm、-166.3μm、-194.2μmでした。
CRTのベースラインからの変化量(MMRM、FAS)
※1 実測値 ※2 各群‒2mg8週間隔投与群
CRTのベースラインからの変化量の推移(MMRM、FAS)
●
MMRM:ベースラインのCRTを共変量、投与群、来院および層別因子[ベースラインのCRT(400μm未満、400μm以上)、過去のDME治療(あり、なし)および地域(日本、その他の地域)]を固定効果とし、ベースラインのCRTと来院の交互作用項、投与群と来院の交互作用項を含む。
FAで漏出が認められなかった患者の割合[48週:その他の副次評価項目、60週:探索的評価項目]
FAで漏出が認められなかった患者の割合は、48週目では8mg12週間隔投与群で7.6%、8mg16週間隔投与群で0.7%、2mg8週間隔投与群で2.5%でした。また、60週目ではそれぞれ7.9%、2.0%、4.3%でした。
FAで漏出が認められなかった患者の割合(LOCF、FAS)
投与に関する評価
48週目まで投与間隔が12週間隔以上であった患者の割合/
投与間隔が16週間隔以上であった患者の割合[探索的評価項目]
8mg12週間隔投与群において48週目まで投与間隔が12週間隔であった患者の割合は91.0%、8mg16週間隔投与群において48週目まで投与間隔が16週間隔であった患者の割合は89.1%でした。
8mg12週間隔投与群における48週目までの最終投与間隔の分布(SAF※)
※ SAFのうち48週目までの投与を完了した患者のみ
8mg16週間隔投与群における48週目までの最終投与間隔の分布(SAF※)
48週目までに投与間隔が短縮となった患者の割合/次回予定された投与間隔別の患者の割合
[事前に規定されたその他の評価項目]
48週目までに投与間隔が短縮となった患者の割合、次回予定された投与間隔別の患者の割合(SAF※1)
例数(%)
※1 SAFのうち48週目までの投与を完了した患者のみ
※2 12週間隔までしか短縮されなかった患者、および12週間隔まで短縮され、さらに8週間隔まで短縮された患者を含む
※3 48週目までの最終来院日における評価に基づく投与間隔
60週目まで投与間隔が12週間隔以上であった患者の割合/
投与間隔が16週間隔以上であった患者の割合[探索的評価項目]
8mg12週間隔投与群において60週目まで投与間隔が12週間隔であった患者の割合は90.3%、8mg16週間隔投与群において60週目まで投与間隔が16週間隔であった患者の割合は85.5%でした。
8mg12週間隔投与群における60週目までの最終投与間隔の分布(SAF※)
※ SAFのうち60週目までの投与を完了した患者のみ
8mg16週間隔投与群における60週目までの最終投与間隔の分布(SAF※)
60週目までに投与間隔が短縮となった患者の割合/次回予定された投与間隔別の患者の割合
[事前に規定されたその他の評価項目]
60週目までに投与間隔が短縮となった患者の割合、次回予定された投与間隔別の患者の割合(SAF※1)
例数(%)
※1 SAFのうち60週目までの投与を完了した患者のみ
※2 60週目までの最終来院日における評価に基づく投与間隔
48週目および60週目までの投与回数[事前に規定されたその他の評価項目]
試験眼に対する投与回数(平均値)は、48週目では8mg12週間隔投与群で5.7回、8mg16週間隔投与群で4.9回、2mg8週間隔投与群で7.7回、60週目ではそれぞれ6.6回、5.9回、9.5回でした。
投与回数※(試験眼、SAF)
※ 偽注射を除く投与回数
安全性
有害事象[60週間]
PHOTON試験(60週間)において、すべての有害事象は8mg12週間隔投与群で328例中245例(74.7%)、8mg16週間隔投与群で163例中126例(77.3%)、2mg8週間隔投与群で167例中123例(73.7%)に認められました。
主な有害事象は、8mg12週間隔投与群で高血圧30例(9.1%)、COVID-19が24例(7.3%)、硝子体浮遊物18例(5.5%)、結膜出血14例(4.3%)、上咽頭炎13例(4.0%)、硝子体剥離、貧血、頭痛が各10例(3.0%)、8mg16週間隔投与群で高血圧25例(15.3%)、COVID-19が18例(11.0%)、白内障9例(5.5%)、貧血8例(4.9%)、結膜出血、上咽頭炎、糖尿病が各7例(4.3%)、点状角膜炎、網膜出血、硝子体浮遊物、下痢が各6例(3.7%)、尿路感染、高カリウム血症、関節痛が各5例(3.1%)、2mg8週間隔投与群で高血圧18例(10.8%)、COVID-19、上咽頭炎が各7例(4.2%)、結膜出血、眼圧上昇、糖尿病が各6例(3.6%)、尿路感染、頭痛、急性腎障害、急性呼吸不全が各5例(3.0%)でした。
試験薬に関連する投与中止に至った有害事象は、8mg12週間隔投与群で虹彩炎が1例に認められました。
本試験において、試験薬に関連する重篤な有害事象および試験薬に関連する死亡は認められませんでした。
MedDRA ver.25.0
SAF
発現例数(発現割合%)
EDCの設定上の不具合とデータハンドリング上の問題により、外国人患者における2例6件※の有害事象(いずれも非重篤、試験薬または投与手技との関連なし)がデータセットに反映されなかった。これらの事象は有害事象の集計に含まれていないものの、安全性の評価に影響はないと判断した。
※ 2例:1例[白内障2件(うち1件が試験眼)、硝子体剥離2件(うち1件が試験眼)、および副鼻腔炎1件]、1例[鼻閉1件]
眼内炎症反応、眼圧上昇事象、眼圧上昇の程度、高血圧事象、APTC定義による動脈血栓塞栓事象 [60週間]
アイリーア[40mg/mL(2mg)]†の臨床開発、および医薬品リスク管理計画ならびに定期的安全性最新報告で検討された項目に基づき、アイリーア8mgにおけるより詳細な検討のために追加で安全性を評価する事象‡を定義しました。評価した事象のうち、眼内炎症反応、眼圧上昇事象、眼圧上昇の程度、高血圧事象、APTC定義による動脈血栓塞栓事象の結果は、以下の通りでした。
†
未熟児網膜症以外[未熟児網膜症:濃度40mg/mL(0.4mg)]
‡
眼内炎症反応、眼圧上昇事象、網膜色素上皮裂孔事象、網膜裂孔/剥離事象、白内障事象、過敏症事象、動脈血栓塞栓事象、APTC定義による動脈血栓塞栓事象、静脈血栓塞栓事象、高血圧事象、眼以外の出血事象および鼻粘膜障害事象
SAF
発現例数(発現割合%)または例数(%)
※1
MedDRA ver.25.0
※2
試験眼を対象とする
※3
投与後測定は投与約30分後の測定、60週目の投与後のデータは除外
※4
すべての有害事象のうち、APTC(Antiplatelet Trialists' Collaboration)定義により判定された動脈血栓塞栓事象
※5
60週目の最終投与から30日以上経過後に発現した1例を除く