mCNVの診断
病的近視における脈絡膜新生血管の診断
mCNVは検眼鏡検査、フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)やインドシアニングリーン蛍光眼底造影(ICGA)などの蛍光眼底造影検査、光干渉断層計(OCT)検査所見によって診断します。
フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)
造影初期からType 2型CNVに特徴的な明瞭な過蛍光を示し、時間経過とともに、(後期には)病変部からの色素漏出がみられますが、色素漏出は通常軽度でnAMDでみられるほどのものではありません。
インドシアニングリーン蛍光眼底造影(ICGA)
CNV周囲にdark rimやlacquer crackがみられることが多く、CNV自体の過蛍光はわずかです。
光干渉断層計(OCT)
CNVは網膜色素上皮上の隆起病変として描出され、通常周囲に軽度網膜下液を伴います。nAMDと比べて滲出性変化が軽度なため、網膜下液や網膜浮腫が少なく、網膜色素上皮剝離もほとんどみられません。
佐柳 香織, Pharma Medica 2013; 31: 71-74.
病的近視によるCNVとAMDによるCNVの違い
mCNVは若年者にも多く、社会的経済的にも重要な疾患です。AMDによるCNVと比較して、mCNVは平坦で小さく、出血や浮腫等の滲出性変化も軽度であるとされています。
病的近視における脈絡膜新生血管(mCNV)と単純型黄斑部出血の違い
mCNVとよく間違われやすい病態に単純型黄斑部出血があります。単純型黄斑部出血は、ブルッフ膜の機械的断裂であるlacquer crack形成に伴い、脈絡膜毛細血管が障害されて生じる出血です。CNVはなく、無治療でも出血は徐々に吸収され、視力は改善することが多いとされています。OCTでは、CNVと同様の網膜下隆起病巣を呈しますが、FAでは出血によるブロックのみであり、出血内部にCNVに由来する過蛍光を認めないことから鑑別診断が可能です。
大野 京子, あたらしい眼科 2012; 29: 1209-1215.